Quantum Molecular Science: Theory and Simulations
量子力学演習I
量子力学の基本的な理論構成を学び,いくつかの具体系へ応用する.量子力学はミクロの世界の支配法則であり,現代物理学を,ひいては現代技術を支えている.干渉効果や不確定性,トンネル効果等の不思議な量子現象は身近な経験の延長線上で説明できず,古典力学とは全く視座を異にする量子力学が必要になる.本演習でははじめに現代的な視点で整理された量子力学の理論体系をみる.特に状態ベクトルと測定にまつわる五つの公理と正準量子化について学ぶ.一次元空間で保存力をうけながら運動する粒子に実際に量子力学を適用し,その運動がいかに記述され,どこが古典的な粒子と異なるか詳解する.時間が許せば化学結合の簡単なモデルもとりあげ,定常・非定常状態の観点から化学結合の微視的解釈の一端をみる.また,量子力学に必須の線型代数や微分積分,基礎的な複素解析についてレポート課題等を通して計算力を養う.
・教科書
・シラバス
・開講学年
学部2年生
・講義室
12番教室
・日程
後期 月曜日 5・6校時
熱・統計力学演習
熱・統計力学に関する演習問題にみずからとりくむ事で,講義で修得した熱力学に関する基本的な原理や法則の定着と,実際の問題に対する適用法の修得を目的とする.必要となる物理数学の演習も行う.
・教科書
・シラバス
・開講学年
学部3年生
・講義室
A201番教室
・日程
前期 水曜日 1・2校時
熱・統計力学演習II(旧カリキュラム)
統計力学の基本的な理論構成を学び,さまざまな具体系へ応用する.熱力学がマクロな平衡状態の普遍的特徴を記述するのに対し,統計力学は原子・分子の世界に立ち入って,ミクロの世界の力学法則(量子力学・古典力学)とマクロの世界の現象とを論理的・定量的に結びつける.この授業でははじめに統計力学の基礎として確率論やアンサンブルの概念を解説し,熱力学との整合を確かめる.基本的な原理や法則を学んだ後,理想気体,磁性体,調和振動子,格子振動,量子理想気体などの具体例を扱い,知識の定着と応用力の養成をはかる.適宜,レポート課題等を通して計算力を養う.
・教科書
・シラバス
・開講学年
学部3年生
・講義室
未定
・日程
後期(集中講義)
分子科学要論(分野横断科目)
化学現象・生物学現象はその多様性や意外性に注目されがちだが,いずれも電子と原子核の集団運動の現れである点にかわりなく,物理学に基づく演繹的・統一的な考察がしばしば新たな視座をもたらす.この授業では,(化学・生物学を含む)広い意味での物質科学を分子レベルで理解する際に不可欠な手法として,量子化学や動力学等の理論を学ぶ.量子力学の知識を前提とする.
・教科書
・シラバス
・開講学年
博士前期(修士)課程1年生
・講義室
A202番教室
・日程
前期 金曜日 3・4校時
量子分子科学特論
分子レベルの量子理論は物質科学の多様性を理解し,普遍性を解き明かす際の基礎となる.量子化学や物性物理学にまたがる現代的な各種理論手法とそれらに通ずる基礎的なアイデア,適用範囲と適用限界,具体系への応用について学習する.文献を主体的に探し,理論手法の位置づけやアイデアを自ら汲みとって研究に活かして欲しい.
・教科書
書籍や最新の論文を適宜紹介する
・シラバス
・開講学年
博士後期課程1年生
・講義室
未定
・日程
前期(集中講義)